構造設計という仕事で一番驚いた建物 ― 東京国際フォーラム

建築キャリア

構造設計という仕事で一番驚いた建物

建物を見て、思わず立ち止まることがある。

構造設計の仕事をしていると、
そういう瞬間に出会うことがある。

それは単に美しい建築というだけではない。
「どうやって成立しているのか」と考えたくなる建物だ。

これまでいろいろな建築を見てきたが、
その中でも特に強く印象に残っている建物がある。

東京国際フォーラムである。


ガラスホールという空間

東京国際フォーラムの中でも、
特に印象的なのがガラスホールだ。

細長い船のような空間。

全面がガラスで覆われ、
内部には巨大な空間が広がっている。

その空間に入ると、
まず感じるのはスケールだ。

建物の中にいるはずなのに、
外にいるような感覚になる。

光が入り、
空間が抜けている。


2本の柱

この空間で最も驚くのは、
その構造だ。

あの巨大な空間が、
ほとんど2本の柱で成立している。

もちろん実際にはさまざまな部材があるが、
空間として感じる支持要素は極めて少ない。

構造設計の視点で見ると、
これはかなり大胆な構成だ。

通常、大空間を支えるには
多くの柱や梁が必要になる。

しかしこの建物では、
その常識が覆されている。


フィッシュボーン構造

ガラスホールの構造を特徴づけているのが、
フィッシュボーン構造の梁だ。

魚の骨のように並ぶ構造フレーム。

通常の梁の概念とは少し違う。

梁が単に水平にかかるのではなく、
空間全体を構成する骨格として機能している。

構造そのものが
空間のデザインになっている。

この建物を見たとき、
「梁とは何か」という考え方が
少し変わったように思う。


構造が空間をつくる

建築では、
構造は裏方に回ることが多い。

しかしこの建物では、
構造が主役になっている。

構造体がそのまま空間をつくり、
建築の印象を決めている。

建物を支えるだけでなく、
空間をつくる。

構造設計の可能性を
強く感じる建築だった。


屋外階段という構造

東京国際フォーラムでは、
細部にも面白い構造が使われている。

例えば各ホールに設けられた屋外階段。

PC(プレキャストコンクリート)でつくられている。

通常の階段とは違い、
構造としての完成度が高い。

こうした部分にも、
設計の思想が感じられる。


建築模型という存在

このプロジェクトでは、
初期の建築模型にも驚かされた。

模型の段階で、
すでに数千万円規模。

通常の建築では考えられないスケールだ。

その模型が、
ニューヨークのMoMAに展示されたこともある。

それだけこの建築が、
世界的にも評価されているということだろう。


桁外れのプロジェクト

東京国際フォーラムは、
さまざまな意味で桁外れのプロジェクトだった。

建設費。
設計費。
スケール。

どれをとっても
通常の建築とは違う。

しかしその結果として、
これだけの建築が実現している。

建築というのは、
ときどきこういうプロジェクトが現れる。

常識の少し先をいく建物。


驚きという感覚

構造設計の仕事をしていると、
多くの建築を見ることになる。

その中で、
本当に驚く建物というのは多くはない。

東京国際フォーラムは、
その数少ない建物の一つだった。

構造の考え方。
空間のつくり方。
建築としての完成度。

すべてが印象に残る建築だった。


構造設計の面白さ

この仕事の面白さは、
こういう建築に出会えることかもしれない。

図面の中だけでなく、
実際の建物として体験する。

そして
「どうやって成立しているのか」と考える。

構造設計という仕事は、
そういう思考の積み重ねでもある。


まとめ

東京国際フォーラムは、
構造設計という視点で見ても
非常に印象的な建築だ。

大空間を成立させる構造。
フィッシュボーン構造。
細部にまで行き届いた設計。

建築には、
ときどき常識を少し超えたものが現れる。

そういう建物に出会うと、
この仕事の面白さを改めて感じる。


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